オフィスホワイトニングとホームホワイトニング、どっちが向いてる?

歯を白くしたいけれど、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングのどちらを選べばいいのか分からない。
診察室でも本当によくいただくご相談です。
文京区で歯科医院を開いている歯科医師の小田切です。
結論から言うと、急いで白くしたい方はオフィス、白さを長持ちさせたい方はホームが向いています。
この記事では、両者の違いと選び方を、費用や期間の目安とあわせてお話ししますね。

オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの違い

まずは2つの方法がどう違うのか、ここを押さえておきましょう。
どちらも「過酸化物」という薬剤で歯の内部の色素を分解して白くする、という原理は同じです。
違うのは、薬剤の濃度と、施術する場所なんですね。

仕組みと薬剤の違い

オフィスホワイトニングは、歯科医院で行う方法です。
高濃度の過酸化水素(おおむね15〜35%)を歯の表面に塗り、専用の光を当てて漂白します。
作用が強い薬剤なので、歯科医師や歯科衛生士でなければ扱えません。

ホームホワイトニングは、歯科医院であなたの歯型に合わせたマウスピースを作り、自宅で低濃度の過酸化尿素(10%程度)のジェルを入れて装着する方法です。
過酸化尿素は口の中でゆっくり分解されて過酸化水素に変わるので、マイルドに作用します。
日本歯科医師会の情報サイト「テーマパーク8020」でも、この2つが歯の漂白の代表的な方法として紹介されています。

効果の出方と持続期間の違い

オフィスの魅力は、なんといっても即効性です。
1回の施術でも「あ、明るくなった」と鏡の前で声を上げる患者さんは多いですよ。
ただ、1回で理想の白さに届く方はそれほど多くなくて、目標の白さによっては3〜6回ほど通っていただくのが一般的です。
そして短期間で白くするぶん色戻りも早く、持続の目安は3〜6ヶ月ほどです。

ホームは正反対の性格をしています。
毎日1〜2時間の装着を2週間から1ヶ月ほど続けて、ようやく効果を実感できる、じっくり型です。
そのかわり薬剤が時間をかけて歯にしみ込むため白さが長持ちしやすく、半年から1年ほど、ケア次第ではそれ以上保てる方もいらっしゃいます。

費用の目安を比較する

費用の目安を表にまとめました。
ホワイトニングは保険がきかない自由診療なので、医院によって金額にかなり幅があります。
あくまで「だいたいこのくらい」という感覚で見てくださいね。

項目オフィスホワイトニングホームホワイトニング
施術する場所歯科医院自宅
薬剤高濃度の過酸化水素低濃度の過酸化尿素
効果の実感1回でも実感しやすい2週間〜1ヶ月
白さの持続3〜6ヶ月半年〜1年程度
費用の目安1回1〜5万円程度2〜5万円程度(マウスピース+薬剤)
手間通院のみ毎日の装着が必要

オフィスホワイトニングが向いているのはこんな人

では、どんな方にオフィスをおすすめしているか。
私が診察室でお話ししている内容を、そのままお伝えしますね。

結婚式や同窓会など「期日」が決まっている人

いちばん分かりやすいのは、白くしたい日がはっきり決まっている方です。
結婚式、成人式、お子さんの卒業式、転職の面接。
「その日までに」という締め切りがあるなら、即効性のあるオフィスが第一候補になります。

うちの医院でも、2ヶ月後に娘さんの結婚式を控えた50代の患者さんがオフィスを選ばれました。
3回の施術で見違えるほど明るくなって、当日は「口元を気にせず写真に写れました」と報告してくださったんです。
ああいう瞬間は、こちらまで嬉しくなりますね。

施術当日の流れも簡単にご紹介しておきます。
まず歯の表面の汚れを落とすクリーニングをしてから、歯ぐきを保護し、薬剤を塗って光を当てる工程を数回繰り返します。
1回の所要時間は1時間前後なので、お買い物や仕事の合間に組み込みやすいですよ。

自分で毎日コツコツ続けるのが苦手な人

ホームホワイトニングは、毎日マウスピースを1〜2時間装着する生活が数週間続きます。
これ、性格によっては結構な負担なんです。
三日坊主になりそうだなと自覚のある方は、通院さえすればプロが仕上げてくれるオフィスのほうが結局は近道だったりします。

知っておきたいデメリット

いいことばかりではないので、正直にお話しします。
高濃度の薬剤を使うため、施術中や施術後に歯がしみる知覚過敏が出やすい傾向があります。
多くは数日でおさまる一時的なものですし、しみ止めのお薬を塗る、薬剤の濃度や当てる時間を調整するといった対応もできます。
それでも、もともと歯がしみやすい方は、カウンセリングの段階で必ず伝えておいてくださいね。

色戻りが早めな点も、続けるほど費用がかさむ要因になります。
白さを保つには数ヶ月ごとのメンテナンス施術が必要で、その分の予算は見込んでおきたいところです。

ホームホワイトニングが向いているのはこんな人

次はホームホワイトニングです。
地味に見えて、実はファンの多い方法なんですよ。

白さをできるだけ長持ちさせたい人

一気に白くするより、白い状態を長くキープしたい。
そういう方にはホームが向いています。
低濃度の薬剤でゆっくり漂白するので後戻りしにくく、透明感のある自然な白さに仕上がりやすいのも特徴です。

急激な変化がない分、周囲に気づかれにくいという利点もあります。
「ホワイトニングしたと悟られたくないけれど、印象は良くしたい」という大人の事情にも、そっと応えてくれる方法です。

もう一つ、マウスピースを一度作っておけば、先々色戻りが気になったときにジェルを買い足すだけで再開できます。
この身軽さも、歯の色と長く付き合っていく方法としてホームをおすすめする理由なんです。

通院の時間がなかなか取れない人

オフィスは1回あたり1時間前後の予約を、複数回取っていただく必要があります。
子育てや介護、仕事で忙しい方には、これがなかなか難しいんですよね。
ホームなら最初のマウスピース作製と経過確認の通院だけで済み、あとは自宅で自分のペースで進められます。

進め方はシンプルで、最初の通院でマウスピースを作り、あとは処方されたジェルを毎日決まった時間だけ装着します。
途中で一度お口の状態を確認させていただき、問題がなければそのまま継続、という流れです。

夜、お風呂上がりにテレビを見ながら装着する。
そんなふうに生活の一部にしてしまった60代の患者さんは、1年経ったいまもきれいな白さを保っていらっしゃいます。

知っておきたいデメリット

効果を実感するまで2週間から1ヶ月かかるので、すぐに結果がほしい方には物足りません。
毎日の装着を自分で管理する必要があり、サボればそのぶん仕上がりも遅れます。
装着中は飲食ができない点や、薬剤の使いすぎは知覚過敏につながる点も覚えておいてください。

迷ったときの選び方とデュアルホワイトニング

ここまで読んで、まだ迷っている方もいらっしゃると思います。
そんなときの考え方を2つご紹介しますね。

「いつまでに白くしたいか」から逆算する

私が診察室でまずお聞きするのは、予算よりも「いつまでに白くしたいですか」です。
1〜2ヶ月以内に白くしたい事情があるならオフィス。
特に期限がなく、長い目で歯の色と付き合っていきたいならホーム。
この軸で考えると、たいていの方はすっと答えが出ます。

費用で比べるときは、初期費用ではなく1年単位の総額で考えるのがコツです。
先ほどの表のとおり、最初にかかる金額だけならそこまで大差はありません。
ただしオフィスは白さを保つために数ヶ月ごとの再施術代、ホームは追加のジェル代(1本数千円程度)がかかります。
たとえばオフィスで年に2〜3回メンテナンスするのと、ホームでジェルを買い足しながら続けるのとでは、1年後の出費が逆転することもあるんです。
どちらが割安かはあなたの通院ペースや使い方次第なので、カウンセリングで年間の見積もりを出してもらうと安心ですよ。

いいとこ取りのデュアルホワイトニング

実は、2つを併用する「デュアルホワイトニング」という選択肢もあります。
まずオフィスで一気に白くして、その白さをホームで維持していく方法です。
即効性と持続性の両方を狙えるので、しっかり白くしたい方には効果の面でいちばんおすすめです。

費用は5〜10万円程度と高めになりますが、効果は1年以上続くことが多く、後戻りのたびに通院するより結果的に安く済む方もいます。
挙式前の患者さんには、式までオフィス、式のあとはホームで維持、という組み合わせをよくご提案しています。

ホワイトニングを始める前に知っておいてほしいこと

最後に、歯科医としてどうしても伝えておきたい注意点です。
ここを飛ばして始めてしまうと、後悔につながりかねません。

ホワイトニングができない・注意が必要なケース

ホワイトニングは、誰でもすぐに受けられるわけではありません。
次のような場合は、施術できないか、先に別の対応が必要になります。

  • 虫歯や歯周病がある(先に治療してからになります)
  • 妊娠中・授乳中(安全性のデータが十分でないため、時期をずらすのが無難です)
  • 無カタラーゼ症(過酸化水素を分解できない体質のため、施術できません)
  • 詰め物・被せ物などの人工の歯(薬剤では白くならず、色の差が目立つことがあります)
  • 18歳未満の方(歯の成長段階への影響を考え、お断りする医院が多いです)

とくに人工の歯は盲点で、「前歯の被せ物だけ黄色く浮いてしまった」という相談を受けることがあります。
お口の状態を診察してから始めれば、こうした失敗は防げますからね。

もう一つ知っておいてほしいのが、歯の変色の原因によって効果に差が出ることです。
加齢やコーヒーなどの着色による黄ばみはよく反応しますが、子どもの頃に服用した抗生物質(テトラサイクリン系)による縞模様の変色は、白くなりにくい傾向があります。
効果が見込めるかどうかは診察で判断できますので、まずは相談してみてください。

施術は歯科医師・歯科衛生士のいる場所で

過酸化物を使ったホワイトニングは医療行為にあたり、歯科医師や歯科衛生士の資格がない人が施術することは法律で認められていません。
日本歯科審美学会も、資格者のいないサロンなどでのホワイトニングは推奨しないと明言しています。

同学会には、ホワイトニングの専門知識を持つ歯科衛生士を認定する「ホワイトニングコーディネーター」という制度もあります。
医院選びに迷ったら、こうした資格者がいるかどうかも一つの目安にしてみてください。

白さを長持ちさせる毎日のコツ

どちらの方法を選んでも、その後の過ごし方で白さの寿命は変わります。
色戻りの主な原因は、コーヒーや紅茶、赤ワイン、カレーといった色の濃い飲食物と、タバコのヤニです。
やめる必要はありませんが、飲んだあとに水で口をゆすぐ、こまめに歯を磨くといった小さな習慣が効いてきます。

数ヶ月に一度、歯科医院でクリーニングを受けるのもおすすめです。
表面の着色を定期的に落とせば白さが保てるうえ、虫歯や歯周病の早期発見にもつながります。
ホワイトニングをきっかけに定期検診の習慣がつく方は多くて、歯科医としてはこれが何より嬉しい副産物なんです。

まとめ

オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの違いと選び方をお話ししてきました。
期日までに白くしたいならオフィス、白さを長持ちさせたいならホーム、両方ほしいならデュアル。
選び方の軸は、この3つに集約されます。

どちらを選ぶにしても、最初の一歩はお口の健康チェックからです。
虫歯や歯周病を治してからのほうが、ホワイトニングの仕上がりも安全性も格段に上がります。
20年この仕事をしてきて思うのは、白い歯そのものよりも、口元を隠さず笑えるようになった患者さんの表情がいちばんの成果だということ。
あなたに合った方法を、ぜひかかりつけの歯科医院で相談してみてくださいね。

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